医は仁術

2019年1月6日

今日来院された患者さんの話。

2月から声がれが治らないとの訴えでした。
曰く、某病院で胃カメラ検査を受けてから声がれが出て治らない。今日その病院に問い合わせて内科を受診したが、胃カメラとの因果関係はないと言われて近くの内科に行けと言われたと。

こういう話を聞くと、「医は仁術」という言葉を思い出し、自分だけはこれを守ろうと心に誓っています。

この患者さんは声がれに困っていたのです。
別に文句を言いたくて病院に問い合わせて受診したわけではないのです。
それを病院側は胃カメラのせいで声がれが出たのではという患者さんの訴えを、クレームとでも捉えたのか、「因果関係はない」などというなんの解決策にもならない回答で追い返したのです。

声がれに困って、声がれの原因かもしれないからというすがる思いで受診した患者さんになんという仕打ちでしょうか。

医は仁術

真っ当な医者なら、そんなこと言う暇があれば、まず喉を見るでしょう。
内科医は喉の奥までは見れないので、自分の見える範囲に異常がなければ、耳鼻咽喉科の先生に相談すると思います。
なぜなら医者は患者さんの訴えを癒すために全力を尽くすことが務めだからです。 
この場合、声がれを治したいというのが患者さんの希望で相談された医者はそれを解決する責務があるのです。
にも関わらず保身のために解決策も示さない医者には呆れるばかりです。

そんな医者が増えている気がするのは、自分の立ち位置が変わったからそう感じるだけなのでしょうか。それとも時代の変化で本当にそういう医者が増えているのでしょうか。
せめて前者であってほしいと願います。