子供のスマホ

2019年1月6日

子供のスマホ使用。
長時間の使用は害があると日本医師会と日本小児科医会がポスターを作成しました。

これです

言っていること、あるいは伝えたいことはわかるのですが、正直ミスリードが含まれているように思えます。

たとえば学力ですが、スマホの使用時間が長いと学力が落ちると書いてあります。
それはそうなのでしょうが、それはスマホのせいなのでしょうか。
このデータからは詳細はわかりませんが、スマホの使用が勉強の時間を減らしてしまった結果、学力が下がったということも考えられます。
一義的には勉強時間が少ないことが学力の低下をもたらしただけであって、スマホが直接学力を下げたわけではないのではないかと思います。

もし、スマホの長時間使用が学力を下げると証明しようとするなら、勉強時間が同じ程度の子供達を集めてきて、その子供達のスマホ使用時間と学力の関連を分析しなければなりません。
それをしないで「スマホが学力を下げる」というのは、非科学的であり、医者的に言えば「エビデンス(科学的根拠)がない」と言えます。

このようなポスターを天下の日本医師会や日本小児科医会が作るなんて信じられません。
こんなのは、正直深夜のテレビショッピングに出てくるダイエット商品で提示される被験者の体重と変わりません。

私も医師会員ですので、私の医院にもこのポスターが届きました。貼ってくれとのお願いでしたが、ちょっと貼る気が起きず、破棄しました。

ポスター作成もタダではないでしょう。
もう少しまともな根拠を提示してからポスター作成をして欲しいです。 

ちなみに、子供のスマホは確かに問題ではあるかと思います。
私の子供も器用にスマホのアプリゲームを使いこなします。

ですが、大人が四六時中スマホを握りしめて生活している今日では、子供にだけスマホをやらせないというのは難しいのではないかと思います。
課題は親のコントロール下におけるかどうかということだと考えます。

ですがこれ、どこかで聞いた話だなと思うのは、僕たちが子供の頃に流行ったテレビゲームに対する当時の大人たちの問答と全く同じだからでしょうか。
僕たちもファミコンを親の管理下に置かれながら、時間を区切って遊びました。
結果、それなりに大人になっているので、スマホも案外そんなものかもしれません。