血を採りにくい人

2019年1月6日

患者さんとお話しをしていると、多くの患者さんが、採血される際に医療者から「採血が難しい」と言われているように感じます。

実感としては半分以上、あるいは7割くらいの患者さんがそう言っているように思います。

ですが実際その患者さんたちの血管を見てみると、それほど難しいはと思えない人も結構いらっしゃいます。
ではなぜ難しいといわれたかといえば、ずはり「言い訳」です。
失敗した時に、医療者はなかなか自分の腕が悪いとか、不注意とか、単純なミスとは言えません。
そこで患者さんの血管が難しいということにしているのではないかと思います。

自分の血管が採血するにあたり難しいか否か。確認するには、採血ではない日に医療者に聞いてみると良いと思います。
自身の腕を試される心配がない時であれば、正当な評価を受けられるでしょう。

少し話は変わりますが、採血を失敗させないための患者さんができる唯一のことは、採血が終わるまで喋らないことだと個人的には思っています。
採血は手技です。
五郎丸選手のフリーキックではありませんが、僕たちはある程度ルーティンをこなしながら採血を行います。
その時に「私は難しいといわれたことがある」とか、「失敗しないでくださいね」などと声をかけると、ルーティンが乱れ、余計なプレッシャーがかかります。
プレッシャーがかかる場合と平常心の場合では成功確率が違ってくるのは自明です。

私達医療者も全力を尽くしますが、患者さんにおかれましては最善の協力をよろしくお願いします。

そして、時に失敗したとしても、そこは広い心でお許しを頂ければ嬉しいです。
医療者も人の子なのです。