僕もたぶん、、、

2019年1月8日

長文注意

最近の、東京医大の女性減点の記事を読んでいて思ったこと。
僕もたぶん僕より成績の良い女の子を押しのけてここにいるのだということ。

僕の出身校昭和大学は私立大学で、医学部1学年は大体110人くらい。そのうち女の子は20人くらいしかいなかった。
彼女達はとても勉強が出来て、中の下だった僕には到底歯が立たなかった。学年の首席卒業も女の子だったと思う。
それは多分僕くらいの成績だと男を優先させて取ろうという大学の意図があったんだろう。
それを今まで疑問にも思ってこなかった。そんなものだろうと思っていた。
でも東京医大の記事で少しそれについて考えるチャンスをもらったので、考えたことをツラツラと書いてみる。

僕のせいで合格できなかったのかもしれない誰かわからない女の子に対して罪の意識とかはない。
その時の大学が求めた人材となれたのだから、男性であったということも武器として考えて胸を張りたい。
そして実は東京医大の言い分も少し理解できる。(やり方はともかくとして)

実際仕事がきつい外科系は女の子には受けが悪い。
女性比率が高まれば外科の人手不足に拍車がかかって、さらに仕事がきつくなり、女性どころか、男性医師にもそっぽを向かれてしまうという悪循環に陥ってしまうかもしれない。
それを回避するためにやり方は別としても、どこの大学も似たようなことをしていると思う。

女の子の点数を一律に減点するのは乱暴だ。でも医者になるのに必要なのは勉強だけ出来る人ではない。
国家試験に合格できる程度の頭脳は最低限必要だけれど、それ以外に性格とか体力とか適応力とか、様々なファクターが医者には求められる。
その中で体力だけは男性が圧倒的に有利だから、それ故の男性偏重なんだと思っていた。

それを差別というなら、差別かもしれない。
ただ、それを差別としてしまって、学力考査重視で学生を取ると、おそらく女性の方が多くなる。
女性の方が勉学に対して勤勉だからだ。
そうすると、外科医がいなくなる。

どうすりゃいいのか。
テレビに出ている有名な女医さんが言った。「それは仕方ない。自分たちには外科や整形外科などのハードワークは難しい」
多分医師になれた成績優秀な女医さんたちはそのスタンスだ。
そのスタンスで女性の理解が得られるなら、大学は正々堂々と体力のある男性を優遇しますと宣言して、試験に体力テストでも入れれば良い。

でも、おそらく問題なのは厳しい競争に勝って医師になった女医さんたちの意見は、僕が押しのけたであろう当落線で受からなかった女性や世間一般の意見とは異なる点だ。

それは現場を知らないから言えるのだろうけれど、医者じゃない人に現場を知れというのはそれこそ難しい。

だけど僕は大学の医師不足も、男女公平もどちらも満たせる夢のプランを知っている。
簡単だ。
医師の定員を増やせば良い。
今現在どこの医学部も大体定員は100人だ。それを200人にすれば良い。
そうすれば男女半々で入って来ても100人は男性だ。そのうちの何十人かは外科医になるだろう。

今の医師不足や医師偏在の問題点は国の中途半端な管理体制にあると思う。
入学では定員をギリギリまで絞っておきながら、卒業では本人の意思を尊重して希望の科に入ってオーケーとしてしまっている。
そうすると当然きつくない科が男女問わず選ばれやすくなり、きつい科は選ばれなくなる。
入学での定員を絞らなくなれば人数が充足される。そうすれば人気のないきつい科でも人が入るだろうし、逆にきつくない科に入ってしまうと、医者が余りすぎて仕事に就けないかもしれない。そうするときつくても仕事に就ける科に人が流れるので医師の偏在が解消される。

我ながら単純で良いプランだと思うのだけれど、これは多分、いや絶対に採用されない。
なぜなら医師会が多分すごく反対するからだ。
定員を増やすと医師の質が担保できない、などというだろうけれど、実際のところは、たくさん医者が生まれてしまうと、自分たちのシマを荒らされてしまうかも知れないという恐怖があるからだ。
患者さんの数は増えない。
医者は増える。
そうすると一人が診る患者さんの数が減る。
結果収入が減る。という恐怖。

ついこの前ニュースを賑わせた加計学園の獣医学部新設でも強く反対していたのも他ならぬ獣医師会だった。

医師不足などの問題の当事者たる医師の代表医師会が医学部定員増を望まなければ、国が動くはずがない。
なので医学部の定員がものすごく増えることは無いと思う。

今後東京医大のように叩かれないために、バランスの調整がおこると思う。
おそらく女性の入学者がどこも増えるだろう。

その学年が医師になるまでにきついと言われている科は、がんばって環境改善して魅力的な医局にしておかなければいけない。

体育会系の科はこれからが正念場だ。