授乳期の薬

2019年1月6日

授乳と薬の話。

授乳しているお母さんにとって授乳を中断するということは大変なことだと子を持つ親になって初めて気づきました。

体調が悪くて来院した授乳中のお母さんに薬を処方。
薬の添付文書には投薬回避あるいは授乳中止と書いてある。
お母さんに授乳を中止してくださいと伝える。

ごく当たり前の流れです。
ですが添付文書では投薬回避と書いてあっても実際は疫学的な根拠も豊富でほぼ安全に使用できる薬も存在します。
南山堂の「妊娠と授乳 薬物治療コンサルテーション」などを見ると添付文書に投与回避と書かれている薬剤でも「安全」と判断されていたり、米国のLactMedやDrugs in Pregnancy and Lactation Ninth Editionなどはオンラインでリスク評価を掲載しています。

授乳中のお母さんが来院されたときは、なるべく授乳を継続してもらいながら薬を内服してもらうことを目標にそれらを閲覧しながら薬を選択しています。

日本の薬の添付文書、いわゆる説明書は授乳に対してはかなり後ろ向きです。
説明書を読んで「投与禁止」と書かれていても問題なく使用できる薬はいっぱいあります。
心配なこと、わからないことがあったら、遠慮なくご相談ください。