乳糖不耐症

2019年1月6日

牛乳などに含まれる糖類の一種「乳糖」をうまく消化できない赤ちゃんがいます。
「乳糖不耐症」といいます。
よくアレルギーと混同されますが、アレルギーではなく、ただ消化と吸収ができないだけです。
消化できないことで、糖類が腸に留まり、発酵してガスを出させたり、下痢をさせたりします。

先日受診した赤ちゃんはその乳糖不耐症と言われていました。
その赤ちゃんのお母さんから、当院の薬を服用すると少しだけ下痢をする、とのご指摘をいただきました。
もしやと思い調べてみたところ、当院で小児によく処方する鼻水止めの「ペリアクチン細粒」や「アスベリン」にはなんと乳糖が添加されていることがわかりました。

ごく少量なので顕著な症状は出ないようですが、それでも乳糖不耐症のお子さんに乳糖の入った薬を出してしまっていたとは。。。

勉強不足を痛感しました。

その後調べたところ、小児の細粒には乳糖を添加されたものが意外とあり注意が必要ということを知りました。
歴史の古い薬の方が乳糖を添加されているケースが多いような印象です。
昔はあまり気にしなかったのかもしれません。

実際の患者さんで経験する前に知っておくことが理想ですが、患者さんを目の前にして初めて経験することも年に数回はあります。
今回は勉強になりました。
今後の診療に活かしていきたいと思います。

それにしても、軽症の下痢で風邪薬の乳糖を疑ったお母さんの慧眼に敬意を表します。
やはり子に関しては母の観察眼が最強かもしれません。