そこで輝け

2019年1月8日

最近の若い奴は、第2弾

最近の若手医師は主張できて羨ましいな、と思います。
自分が医師になりたての頃は、医局にまだ絶大な力があり、楯つくことなど断じてできませんでした。
「お前、来週から群馬な」
と言われれば、拒否する権利もなく荷造りして群馬に出張しました。

新研修制度の改革により医局が弱体化し、医局は医局員達に強くものが言えなくなってきました。
強く言うと入局してくれなくなってしまうからです。
優しく、大切に、入局してからも大事に扱うので、最近の若手医師達は、思ったことを言えるようになったと思います。

「遠方の出張、行きたくありません」とか、
「動物実験、やりたくありません」とか、

昔だったら「はい」か「イエス」しか答えがない指示を拒否してきたりします。

これは時代の変化でしょう。
世代が変わったことを実感します。
私ももう若くはありません。

拒否することは、その人に与えられた権利なので、否定するつもりはないのですが、それで医局が良いならそれで良いと思います。外野がとやかく言う権利はありません。
それでもまもなく40のオッサンとして、敢えて言わせてもらえれば、

「そこで輝けよ」

と思います。
与えられた課題を拒否する権利はあるでしょう。
でもその課題が理不尽なものでなければ、受けて課題に取り組んでみれば良いと思います。
それが自分の望んでいた仕事でなくても、やりきった後には何かしらを得て成長した自分が残ります。

自分は医局に入った頃に、今の教授から動物実験をやるように命じられました。
拒否はできませんでした。
そういう時代でした。

動物実験の研究で論文を書いても、糖尿病の専門医の足しになりません。
臨床研究を指示された同期は、その論文で専門医を取っていました。
病棟の患者さん達を診ながらの研究だったので昼の病棟と夜の動物実験室という二重生活になりました。
臨床研究の同期は普段の臨床の場が研究の場になっていて効率が良さそうでした。

やってた頃はすごくキツくて、臨床の同期がすごく楽そうに見えました。なんで動物実験を指示されてしまったのか、すごく教授を呪いましたが、数年歯を食いしばって研究したら、臨床の同期がどんなに頑張っても手の届かないような論文を出すことができました。
その論文が出る頃には、論文が書けるようになり、科学的思考が身についていました。 

そこが自分の望んだ場所じゃなくても、やりたくない仕事でも、理不尽な命令でなければ与えられた課題に全力でぶつかって解決すると良いと思います。
それで得られた何かがきっとあなたを形作る大切なカケラになると思います。

みんな頑張って良い医者になろう!