健康保険証の確認

2019年1月8日

医療機関では月に一度健康保険証の提示をお願いしています。
本日来院された患者さんの一人が、健康保険証を忘れ、「前回(2ヶ月前)提示したし、診察券があるので薬を出してほしい」とお願いされました。

患者さんの願いはなるべく叶えてあげたいと思って診療しておりますが、これについてはお断りせざるを得ませんでした。

「保険医療機関及び保険医療養担当規則」という法令の第三条に「受給資格の確認」という項目があります。
それによると健康保険を扱う医療機関は患者さんが健康保険で診察を受けたいと希望した時には健康保険証を確認しなければならないことになっています。
この文面だと本来毎回確認しなければならないのですが、通常保険証は月単位で変更になる場合が多いため、「月に一度」に省略しております。

本来医療機関で発生する支払いの金額は変わりませんが、健康保険証を提示すればその支払額は1~3割になります。残りの9~7割は所属する健康保険組合が支払ってくれるというのが日本の健康保険制度です。
健康保険証はその割引のためのクーポンだと考えるとわかりやすいでしょうか。
クーポンを持参せず家にあるから割引を適応してほしい、という願いは通常の商習慣としてなかなか叶えられません。
医療機関でも基本的にはその場では全額お支払いいただき、後日健康保険証を持参していただいた際に返金処理をするのが通例となっております。

健康保険を扱う医療機関は、基本的には厚生労働省の管轄下にあり、有り体に言えば保険医療を実践する出先機関にすぎません。
ですので我々は国や厚生労働省が定めたさまざまな規則に則って医療を行なっております。

本日の患者さんにはご不便をおかけしましたが、ご理解頂ければ幸いです。