医者の倫理

2019年1月6日

最近倫理感を欠いた医者の信じられない犯罪が相次いで報道されています。
医者なんてそんなのばっかりなのかと思われるかもしれませんが、医者の大多数は真面目でしっかりとした倫理感を持って仕事に当たっています。

ですが、皆さんを取り巻く環境にもいるいわゆる「ヤバい」奴。
医者の中にも一定数いるのも事実です。

学生から医者になり今に至る20年の間に知り合った医者の中には、女性問題でものすごくだらしがない人や、そもそも人としての真っ当な倫理感を持ち合わせていない人などが数人はいました。
いずれも医者として今も働いています。

医者も人間であり、人間であるからには多様性に富んでいます。
ですが医者たるもの、社会に求められている以上の倫理感を持って日々生活するべしと求められていると思っています。

そのような倫理感を欠いた人は医者になるべきではないと思いますが、現在の大学受験のシステムでは、そのような倫理感まで計ることはできません。
なので「ヤバい」奴も学問として医学を収めると医師免許まで手に入れてしまうのです。

最近は以前に書いたOSCE

で医師として最低限の道徳的な対応を習得したりできますが、実際にこれで落第するひとはいるのでしょうか。
大学の現場からは離れてしまっているのでわかりません。
ですが、医学部の学生は潰しがきかないため、医学部に入ったら医者になるか落第して中退するかしかありません。
倫理観という不明確な、数値化できない尺度で人生を終わらせるのはなかなか難しく、そのためOSCEでは落第させないのが普通です。
ましてや勉強ができていればなおさらです。
国家試験の合格率は医学部の質を図る重要なファクターだからです。
どんなに倫理観がなくても勉強ができれば国家試験に合格してくれて、大学の合格率を上げてくれるからです。

そうなると現状医者の中に混ざっている「ヤバい」奴は医学部に入る段階でふるいにかけられるべきだと思いますが、今の学力だけを問う受験のシステムでは難しいと言わざるを得ません。

勉強さえできれば良いという現状から脱却し人間性を評価するような仕組みができれば、ここのところ続く医者や医学生の不祥事を抑制することにつながるでしょう。それは医者の世界だけではなく社会全体を良くしてくれそうな気もします。