太るのはすぐなのに

2019年1月6日

太るのはすぐなのに、痩せるのは大変

糖尿病の患者さんに
「糖尿病って悪くなるのはあっという間なのに、良くなるのはすごく努力が必要」
と言われました。

そうなんです。
体重もそうです。
太るのはあっという間なのに、痩せるのは大変。

なぜなのか。

生物は栄養を捨てない

非常に簡単な答えがあります。

答えはこうです。
「生物は栄養を捨てない」

もともと、人間を含めた生物は40億年前から、基本的には飢えて生きてきました。
今の我々先進国に住む人のように食べたいと思った時にすぐに食べ物にありつける、なんてことは生命誕生から長らく経験したことがないのです。

飢えて生きてきた我々生物は栄養を効率的に吸収するように体を進化させてきました。
そして、飢えた時に備えて、摂取して余ったものは蓄えるように、栄養は絶対に無駄に捨てないように作り上げたのです。

なので、沢山食べると太ります。
当たり前です。これは栄養を蓄えているのです。飢えた時に備えて。
痩せようと思うと、我々は栄養を摂らなくなります。
すると体は「飢えている」と判断して新陳代謝を抑えます。つまり動いて栄養を使わないように仕向けます。
そして食べるようにと働きかけます。

腹が減ってやる気が出なくなるのです。

それを乗り越えて行かなければならないので、ダイエットや糖尿病治療は大変です。

それを乗り越えても次また元の食事に戻してしまえば、飢えたあとなので、体はより効率的に余った栄養を脂肪に変えてしまいます。
これが、リバウンドです。

太りやすく痩せにくいのは長年の進化の結果

太るのは、つまり栄養を蓄えるのは、生物にとって至高の悦びなのです。
そうすることで、飢えて滅びることから逃れられるからです。

40億年そうして生きてきた生き方を、たかだか100年の歴史の糖尿病医療や生活習慣病医療が覆せるはずがありません。
我々が肥満や糖尿病から逃れるために取れる最短の道は、普段からの適切な食事と、適度な運動。これにつきます。

普段の生活が体を作っていることを思いながら、食事や運動を心がけて行きたいですね。