日本プライマリ・ケア学会認定 家庭医専門医後期研修プログラム

2019年1月4日


昨年、日本プライマリ・ケア学会認定家庭医専門医後期研修プログラムの認可をとりました。

千葉ろうさい病院さんと提携し、地域に根ざした家庭医の育成を目指します。

後期研修プログラムとは、医師国家試験を合格して、初期研修を終えた医師が、より専門性を高めた研修を受けるために組まれたプログラムです。
様々な学会がプログラムを用意していますが、日本プライマリ・ケア学会のそれは家庭医の育成を目的としています。

家庭医という言葉は、かなり一般的になりつつあるように思いますが、医学の世界では、実はあまり専門医として認知されていません。

私は糖尿病専門医でもありますが、一般的にはこのような疾患別、臓器別の専門医が主で、それらの専門性を持った先生達が開業すると、専門性を活かしつつ家庭医にもなっていく形が多いと思います。

ですが、これらの先生は家庭医の教育を受けてはいません
そもそも大きな病院では臓器別、疾患別に細分化された診療科に所属し、その専門以外はほとんど診療しません
開業を前提に教育するわけでもないので、自然そういった医師達は開業してから手探りで開業医、家庭医としての心構えや技能を学ぶ、ということになります
私もそうでした
そういった技能などは患者さんと接しながら覚えていきました

でも、家庭医には家庭医の習得すべき技能があり、それはもっと系統立てて教えるべきだと思ったのです
その時日本プライマリ・ケア学会の存在を知りました
日本プライマリ・ケア学会は、医師が開業した時にマスターしてきた心得みたいなものを系統立てて教えようと取り組む学会です
私はこの取り組みが良い家庭医を作ると確信し、後期研修プログラムへの参加を決意しました

大きな病院では家庭医の教育は不十分です
それはそこが大きな病院だからです
大きな病院と当院のような診療所では受診する患者さんも異なります

だからこそ、将来診療所で家庭医として腕をふるいたいと考えている医師に、当院のような診療所での研修を通じて、良き家庭医の心得を学んで欲しいと思ったのです

医院の規模的に余裕がないため、年間1名の募集ですが、今後良き家庭医が当院のプログラムから産まれれば良いと思いますし、そうなるように努力したいと思っています。